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妊娠中のヘアカラーはダメ!9割以上の妊婦が間違っている認識

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妊婦

長年美容師をしていますと、

「妊娠中にヘアカラーやパーマをしてもいいですか?」

という質問をよくされます。

 

妊娠期間は約10カ月と長いですし、妊娠する前に美容室に行きそびれてたりしていたらそれ以上です。

ヘアカラーやパーマなどを妊娠前にしていれば、尚のこと美容室に行きたくなりますよね。

 

「でも妊娠中にヘアカラーをしてもいいの?胎児に影響は?」

やっぱりママさんなら、おなかの赤ちゃんのことは気になりますよね。

今回は、そんな妊娠中のヘアカラーについてお話ししようと思います。

 

1.妊娠中にヘアカラーをするのはやめておいた方がいい!

ヘアカラーされている女性

まず結論から言いましょう。

お腹の赤ちゃんのことを考えるなら、妊娠中にヘアカラーをするのはやめておきましょう。

 

当店でも妊婦さんへのヘアカラーやパーマはお断りしております。

当店以外でも、そういった店舗さんは多いです。

実際、市販されているヘアカラー剤にも「妊娠中の使用は控えるように」と書かれているのはご存知でしょうか。

 

ところが一般的には「妊娠中でもヘアカラーはしても良い」というように聞くことが多いと思います。

驚くことに、医師の中でもそういった誤った認識を持っている方もいるくらいです。

 

しかし実際には、妊娠中にタバコを吸うことや、お酒を飲むことがダメなように、ヘアカラーをすることもお腹の赤ちゃんへの影響の可能性を考えると控えておくべきです。

 

それには「経皮吸収」が深く関わってきます。

どなたでもわかるように、詳しく順を追って説明していきましょう。

 

2.経皮吸収とは

肌を触る女性

2-1.経皮吸収って何?皮膚から吸収されるってホント?

私たちは口からものを食べたり呼吸したりします。これを経口吸収といいます。

それに対して、「皮膚を通して物質や成分が体内に取り込まれること」を経皮吸収と言います。

難しそうに言っていますが要するに、口から入るものが経口吸収、皮膚から入るものが経皮吸収、ということですね。

 

この経皮吸収、一部の人には都市伝説的に思われている場合もあるようですが、医学の世界でもこの経皮吸収の作用を利用した治療法があるのです。

例えば、経皮吸収鎮痛剤(医療用の湿布)・心臓病のニトログリセリン・禁煙パッチなどがそうですね。

これらの医薬品は皮膚のバリアを通過し、血管からその成分が全身に運ばれるものです。

 

2-2.ある化学物質の作用によって、経皮吸収がうながされる。

先程、「皮膚のバリア」というワードが出てきました。

実は、普段はこの皮膚の本来持つバリア機能により、有害物質を体内に通すことが無いよう体は守られているのです。

先程挙げた禁煙パッチなども例外ではありません。

薬品単体だけでは、皮膚のバリア機能が正常に働き、その成分が体内に取り込まれることを阻止しようとします。

 

ではどのようにして薬品は、皮膚のバリアを通過するのでしょう?

そこで登場するのが「界面活性剤」です。

 

3.界面活性剤とは

食器洗い

3-1.なんとなく聞いたことありますか?界面活性剤

界面活性剤は、界面(2つの性質が異なる物質の表面)に作用して、性質を変化させる物質の総称です。

すこしわかりにくいですね。

簡単に言うと、水と油のような本来混じり合わないものに働きかけ、混じり合わせるようにさせるもののことを言います。乳化剤とも言います。

 

 3-2.界面活性剤は身の回りにいっぱい

実は、界面活性剤は私達の生活に欠かせないものとなっていて、身の回りにある様々なものに含まれているのです。

真っ先に思いつくのは台所用洗剤なんかが思いつくと思います。

水と油(汚れ)を混じり合わせ汚れを浮かせます、そして洗い流す。大雑把に言うとこのように洗浄させているのですね。シャンプーなども同じような原理です。

 

さらに、私達が口にする食品にも含まれているものがあります。

マヨネーズやアイスクリーム、バター等がそうですね。

食べるものですから、使われる界面活性剤(乳化剤)は、「食品衛生法」によって、安全性の高い数種類のものに限られています。

 

3-3.界面活性剤の働き

界面活性剤は、あなたがお使いの化粧品にも含まれています。

「美容効果のある有効成分を肌内部に浸透させる。」

こういったワードを聞いたことありますよね?

 

先に言った禁煙パッチと同じように、その有効成分を「肌内部に浸透させる」ために、一時的に皮膚のバリア機能を弱めてあげる必要があるのですが、

この「皮膚のバリア機能を弱める」働きをしているのが、

「界面活性剤」なのですね。

 

3-4.界面活性剤自体は悪者ではない

実はこういったお話をすると、界面活性剤それ自体が悪者かのように取り上げられることがあるのですがそれは間違いです。

あくまで界面活性剤の機能としては「皮膚のバリア機能を破壊する・弱める」といったことになります。

 

バリアが弱まった時に皮膚に入るものが、薬や美容成分などであればいいのですが、有害な化学物質などが入り込むとまずいことになるのですね。

 

4.ヘアカラー剤について

ヘアカラー

4-1.ヘアカラー剤は劇物に指定されている物質が含まれている劇薬です。

「劇薬」、とちょっと怖い言い方をしてしまいましたが事実です。

ヘアカラー剤には様々な化学物質が含まれています。

その中に、「ジアミン」という物質がありこれが日本の毒物及び劇物取締法により劇物に指定されています。

正式名称は「パラフェニレンジアミン」といいますが、ほとんど「ジアミン」と略して言いますのでここでもジアミンと呼ばせていただきます。

さらに、「アルカリ剤(アンモニアやモノエタノールアミン)」も含まれていて、アンモニアも同じく劇物に指定されています。

 

4-2.ヘアカラー剤にアレルギーを持つ方もいます

科学用語が多くて少し難しくなってきましたね。

簡単に言うと、ヘアカラー剤には「ジアミン」や「アルカリ剤」と言った有毒なものが含まれているということです。

そして、ジアミンアレルギーやアルカリアレルギーを持つ方もおられます。当店にもそういったアレルギーを持った方はたくさん来店されます。

 

4-3.ヘアカラーする前にはパッチテストを

ちなみにヘアカラーは本来、ヘアカラーをする48時間前には「パッチテスト」をするべきなのはご存知でしょうか?それも「毎回」です。

日本ヘアカラー工業会にもそのことは明記されています。

毎回するべきなのは、花粉症のアレルギー反応と同じで、よくコップからあふれる水で例えられるように、たとえ以前までは大丈夫でも今回はアレルギー反応が出る、といったことがあるためですね。

そしてそれ以降は一生アレルギー反応を起こすようになります。

先天的にアレルギーを持つ方もいますので、せめて初めてヘアカラーをする際はきちんと皮膚科でパッチテストをすることをおすすめします。

 

5.分子量のお話

アクアプリズム

5-1.「ジアミン」は経皮吸収されてしまうの?

また少し科学的な話をすると、この「ジアミン」、分子量がとても小さいのです。

分子量というのは、要するに粒の大きさのこと。「ジアミン」の分子量はわずか 108 です。

 

それに対し、私達人間の皮膚は、分子量 500 程度までの物質しかバリアしません。

分子量 500 に対し、「ジアミン」の分子量は100 程度ですから皮膚を透過してしまいます。

「アルカリ剤」であるアンモニアも分子量 17 で同じく経皮吸収されます。

更には、ヘアカラー剤に含まれる「界面活性剤」の作用によって、皮膚のバリア機能が弱められ、より経皮吸収されやすくなるのですね。

 

5-2.「ニコチン」の分子量より小さい

ちなみに、タバコの成分である「ニコチン」の分子量は 162 です。

禁煙パッチは「ニコチン」を体内に経皮吸収させることによって、タバコを吸いたいという欲求や、イライラ等の禁断症状抑えるものですから、それよりも分子量の小さい「ジアミン」も経皮吸収されるのはお分かりいただけましたでしょうか?

 

5-3.ヒアルロン酸は経皮吸収されない

蛇足ですが、コラーゲンの分子量は 10万以上。ヒアルロン酸にいたっては分子量 100万 以上となります。

肌に塗るタイプの化粧品ですと、これらの美容有効成分は絶対に皮膚を透過しません。保湿効果などはあるかと思いますが。だまされないように気を付けましょう。

 

6.経皮吸収された薬品のその後

妊婦シルエット

6-1.経皮吸収された薬品は全身に回る

微量でありますが血中に入って全身に回ります。

口から入る経口吸収の場合、消化器官や肝臓を通る中で分解され、その多くが体外へ排出されます。

それに対し、経皮吸収は循環器系なので肝臓で解毒されることもありません。

化学物質が肝臓を通った場合と比べて、皮膚を通った場合の分解率はたったの2%とも言われています。

 

6-2.分解されずに体内に蓄積される

経皮吸収された化学物質はその後、脂肪に蓄積されます。多くの化学物質は脂溶生で脂肪分に溶けやすい、という性質があるためです。

特に女性の場合は、子宮に溜まりやすいと言われています。

子宮の脂肪は非常に良質な脂肪のため、親油性の界面活性剤が馴染みやすいと考えられます。

 

6-3.ヘアカラー剤で全身にアレルギー反応が起きる人もいる

カラー剤でアレルギーを起こすと全身が腫れあがるのをご存知でしょうか。

頭につけた薬品で全身が異常をきたすと言うことは、血管から全身に回ったと考えるのが普通だと思います。

 

7.全身に回った薬剤は胎児に影響があるのか

座っている妊婦

7-1.胎児とお母さんの関係

当然ながら胎児は、お母さんから全ての栄養をもらいながら育ちますよね。

お母さんの血液から胎盤を通して栄養を摂取し、老廃物や二酸化炭素なども胎盤を通して排出されます。

でも、お母さんの血液がそのまま胎児に行くことはありません。だから、お母さんと赤ちゃんの血液型が違うことがあるのですね。

 

7-2.胎盤にはフィルター機能がある

実は胎盤の役割には、お母さんの血液に含まれる有害な物は除去するというフィルターの役割もあるのです。

 

「有害な物は除去するなら、ヘアカラーをしても大丈夫ですか?」

気になりますよね?

実はこのフィルター、決して完璧なものではないのです。

 

7-3.「ジアミン」は胎盤のフィルターも通る

昔は今ほど化学薬品というものがありませんでした。

食べ物でも今のように添加物は使用されていません。

今の人間は、現代の化学物質を防御する装置は完備されていないのです。

人類の長い歴史からすれば化学物質が登場してからの歴史などほんの一瞬に過ぎません。有害な化学物質を防御できるようにまだ進化できていないのです。

 

その証拠にアルコールやニコチン、多くの薬などはやすやすと胎盤のフィルターを通過してしまいます。

ですので妊婦はお酒やタバコはもちろん、風邪を引いたからと言って気軽に薬も飲めないのですね。

それらの化学物質のように分子量の小さい化学物質なら、同じように胎盤のフィルターもすり抜けてしまうのです。

 

 

8.まとめ

お分かりいただけましたでしょうか?

ヘアカラー剤にふくまれる化学物質は経皮吸収され、血液に入り全身を周り、子宮に到着し、胎盤のフィルターをすり抜けてお腹の赤ちゃんに届くのです。

ですので、妊娠中のヘアカラーはやめておきましょう。

出産後も授乳中はもちろん、ホルモンバランスが正常に戻るまでは体のバリア機能も低下していますので、ヘアカラーは控えておくほうが無難かと思います。

 

9.どうしてもヘアカラーをしたい。する必要がある場合はどうすればいいの?

毛先アップ

どうしても髪の色を変えたい場合は、ヘアカラーでなくウィッグやエクステなどで代用が効く場合はそちらをおすすめしますが、どうしてもヘアカラーをする場合は、市販のヘアカラー剤は絶対に使わないで下さい。

 

そして、美容師さんにも「妊娠中ですので、根本にヘアカラー剤がつかないようにして下さい。」と伝えましょう。

ヘアカラーする回数も、妊娠中に1回だけ、多くても2回程度には抑えるべきだと思います。

 

また、ヘアマニキュアのメニューを取り扱っている店舗でしたらヘアマニキュアも選択肢の一つです。

ヘアマニキュアはもともと根本に薬剤がつかないように施術するものですので、経皮吸収のリスクは比較的低いと考えられます。

ただし、ヘアマニキュアは簡単に言うと髪を脱色せずに色をコーティングするようなイメージですので、その性質上明るい色に染めることはできません。

多くは白髪染めなどに使われるメニューです。

さらに、まれにヘアマニキュアでも頭皮が荒れるような敏感な方もおられますので、絶対大丈夫というわけではありません。

 

やはり、カラーリング自体をしないようにするのが一番だと思います。

これも全てはお腹の赤ちゃんのため、健康な赤ちゃんを生むために我慢しましょうね。

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